世界を変えた技術革新大百科 / アダムハート=デイヴィス編 佐野恵美子, 富岡由美訳

2013.06.30 ISBN978-4-88721-812-3 C0020 15000円(本体)
B4変型判(30.4×26.3cm)丸背 上製 カバー装 360頁
訳:佐野恵美子+富岡由美
装丁:山下恭弘+Office SunRa
原書タイトル:“ENGINEERS from the great pyramids to the pioneers of space travel”
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[目次]
序文 「不思議」から「進歩」へ――技術革新を追体験する愉しみ 荒俣宏 P.6-7
第Ⅰ章 初期の技師たち
年表と概要
Ⅰ-1 古代世界の建設
イムホプテ 神となった古代の技師 エジプト 前2655-前2600
エウパリノス 古代ギリシアの治水技術 ギリシア 前6世紀
クニドスのソストラトス 最古の灯台の建設者 ギリシア 前3世紀
ウィトルウィウス 古代の建築理論の編纂者 ローマ 前84頃-前15頃
年表でたどる技術革新 ドーム(円蓋)
ダマスクスのアポロドロス ローマ帝国最高の技師 ローマ属州シリア 2世紀
トラヤヌスの記念柱 凱旋した皇帝へのあふれんばかりの賛美
Ⅰ-2 えの革新者たち
クテシビオス 気体力学の父 ギリシア 前285-前222
アレクサンドリアのヘロン 数多の仕掛けを考案した古代の大発明家
ギリシア 後10頃-70
張衡 初めて地震を測定した技師 中国 後78-139
画期的な発明 古代ローマの水道橋
アルキメデス 偉大な数学者にして技師 ギリシア 前287頃-前212
馬鈞 指南車の製作者 中国 220頃-265
第Ⅱ章 ルネサンスと啓蒙時代
年表と概要
Ⅱ-1 イスラームの技師たち
アル=ジャザリー イスラーム黄金時代の多作の技師 メソポタミア 1136-1206
タキ・アル=ディン イスラームの技師、時計製作者、天文学者 トルコ 1526-1585
ファトゥフッラー・シーラージー ペルシア科学をインドにもたらした学者
ペルシア 1526-1589
Ⅱ-2 ルネサンスの博学者たち
郭守敬 治水技師にして、天文台設計者 中国 1231-1316
タッコラ 芸術家の精神を持つ技師 シエナ共和国 1381-1453頃
フィリッポ・ブルネッレスキ イタリア・ルネサンス最高の技師
フィレンツェ共和国 1377-1446
レオナルド・ダ・ヴィンチ ルネサンス的教養人の象徴
フィレンツェ共和国 1452-1519
Ⅱ-3 新たなる科学技術
コルネリス・ドレッベル 世界発の航行可能な潜水艇の製造者 オランダ 1572-1633
年表でたどる技術革新 船舶の設計
ロバート・フック 弾性の法則の発見者 イングランド 1635-1703
クリスティアーン・ホイヘンス 振り子時計の発明者 オランダ 1629-1695
ジョン・ハリスン 「経度問題」の解決者 イングランド 1693-1776
画期的な発明 マリン・クロノメーター
Ⅱ-4 水路と港
ピエール=ポール・リケ 最初のヨーロッパの偉大な運河建設者
フランス 1609頃-1680
ジェイムズ・ブリンドリー 英国運河網の設計者 イングランド 1716-1772
ウィリアム・ジェソップ 運河と路面軌道の建築家 イングランド 1745-1814
ジョン・レニー テムズ川の架け橋の建設者 スコットランド 1761-1821
ベンジャミン・ライト アメリカ土木工学の父 アメリカ 1770-1842
ウィンスタンリーとスミートン エディストンロックスの灯台の建設者
イングランド ウィンスタンリー(1644-1703)、スミートン(1724-1792)
年表でたどる技術革新 灯台
Ⅱ-5 初期の蒸気機関
ドニ・パパン 蒸気機関の先駆者 フランス 1647-1712頃
トマス・セイヴァリ 世界初の実用的な蒸気機関の発明者
イングランド 1650頃-1715
トマス・ニューコメン 「ニューメコン機関」の立案者 イングランド 1664-1729
第Ⅲ章 産業革命の世紀
年表と概要
Ⅲ-1 蒸気機関の発達
ジェイムズ・ワット 産業革命を支えた「力」 スコットランド 1736-1819
ジェイムズ・ワットの工房 「英雄技師」の創造拠点
オリヴァー・エヴァンズ 世界初の蒸気車を製作 アメリカ 1775-1819
ジェイコブ・パーキンズ 蒸気機関の革新における多彩な才能の持ち主
アメリカ 1766-1849
リチャード・トレヴィシック 蒸気力開発における隠れた英雄
イングランド 1771-1833
エルンスト・アルバン 高圧蒸気の権威 ドイツ連邦 1791-1856
Ⅲ-2 電気力の征服
ベンジャミン・フランクリン 雷を「捕獲した」男 アメリカ 1706-1790
アレッサンドロ・ヴォルタ 世界初の電池の発明者 ロンバルディア 1745-1827
マイケル・ファラデー 電磁気の発見者 イングランド 1791-1867
ジョゼフ・ヘンリー 継電器の考案者 アメリカ 1797-1878
Ⅲ-3 工場の時代
リチャード・アークライト 最初の工場主にして産業資本家
イングランド 1732-1892
イーライ・ホイットニー 綿繰り機の開発者 アメリカ 1765-1825
ブラマーとモーズレー 破られない錠前をつくった男たち
イングランド ブラマー(1748-1814)、モーズレー(1771-1831)
ナスミスとホイットワース 精密工学の名匠たち
ナミナス:スコットランド 1808-1890 ホイットワース:イングランド 1803-1887
画期的な発明 ナスミスの蒸気ハンマー
Ⅲ-4 橋の建設
ロバート・ミルン 多彩なる技師 スコットランド 1733-1811
トマス・テルフォード 産業革命期の偉大な技師 スコットランド 1757-1834
マルク・セガン フランスにおける輸送機関の先駆者 フランス 1786-1875
ローブリング父子 ブルックリン橋の夢追い人
アメリカ ジョン(1806-1926)、ワシントン(1837-1926)
Ⅲ-5 気球と飛行船
モンゴルフィエ兄弟 初の有人飛行に成功した兄弟
フランス J=M(1740-1810)、J=E(1745-1799)
ローベル兄弟 水素ガス気球による飛行のパイオニア
フランス A=J(1758-1820)、N=L(1760-1820)
アルベルト・サントス=デュモン 初めて有翼航空機を飛ばした男
ブラジル 1873-1932
フェルディナント・フォン・ツェッペリン 初めて実用化に成功した飛行船の設計者
ドイツ連邦 1838-1917
第Ⅳ章 機械の時代
年表と概要
Ⅳ-1 輸送革命
ロバート・フルトン 旅客汽船運航のパイオニア アメリカ 1765-1817
スティーヴンスン父子 鉄道に大変革をもたらした2人
イングランド ジョージ(1781-1848)、ロバート(1803-1859)
遺された声 スティーヴンスン父子
イザムバード・キングダム・ブルネル 技術界の巨人 イングランド 1806-1859
年表でたどる技術革新 鉄道
ジョン・フランク・スティーヴンズ パナマ運河を救った技師 アメリカ 1853-1943
ウィリアム・トリットン 世界初のタンクの影の立役者 イングランド 1875-1946
マークVタンク より速く、より操縦しやすい戦車
ピエール・ミショー 初のペダル式自転車の考案者 フランス 1813-1883
Ⅳ-2 飛躍する産業
ロバート・スターリング 熱気機関の発明者 スコットランド 1790-1878
ゴールズワージー・ガーニー 蒸気動力による道路輸送の先駆者
イングランド 1793-1875
ジョゼフ・パクストン 壮大な「水晶宮」の設計者 イングランド 1803-1865
サイラス・マコーミック 刈り取りに革命をもたらした人物 アメリカ 189-1884
ウィリアム・アームストロング 水力を利用したクレーンと兵器の先駆者
イングランド 18010-1900
サミュエル・コルト 西部を武装させた人物 アメリカ 1814-1862
ヘンリー・ベッセマー ベッセマー転炉の発明者 イングランド 1813-1898
画期的な発明 ベッセマー転炉
ウィリアム・トムスン 絶対零度の偉人 スコットランド 1824-1907
ヴェルナー・フォン・ジーメンス 「エレクトロテクニーク(電気工学)」の大家
ドイツ連邦 1816-1892
チャールズ・ヴァン・デポール 路面電車の立役者 ベルギー 1846-1892
ジョゼフ・エンゲルバーガー ロボット工学の父 アメリカ 1925-
Ⅳ-3 大建造物
モニエとフライターク 鉄筋コンクリートの開発者
モニエ:フランス 1823-1906 フライターク:ドイツ 1846-1921
ウィリアム・アロル 橋梁工学の大家 スコットランド 1839-1913
Ⅳ-4 公衆衛生
ウジェーヌ・ベルグラン パリの下水道システムを近代化した人物
フランス 1810-1878
ジョゼフ・バザルジェット 現代の下水網の先駆者 イングランド 1810-1891
ハーサ・エアトン 19世紀の女性技師の草分け イングランド 1854-1923
Ⅳ-5 無線通信と音響
アレグザンダー・グレアム・ベル 電話の有名な創作者 スコットランド 1847-1922
遺された声 アレグザンダー・グレアム・ベル
トマス・エディスン 世界で最も「多作」な発明家 アメリカ 1847-1931
ニコラ・テスラ 「天才」的な電気科学者 オーストリア=ハンガリー 1856-1943
グリエルモ・マルコー二 無線装置の改良者 イタリア 1874-1937
フリオ・セルベラ・バビエラ スペイン・ラジオ産業のパイオニア
スペイン 1854-1929
第Ⅴ章 新世界へ(モダン・タイムズ)
年表と概要
Ⅴ-1 自動車
カール・ベンツ 世界初の「馬が要らない4輪車」の製作者 ドイツ連邦 1844-1929
ゴットリープ・ダイムラー 近代自動車産業のパイオニア ドイツ連邦 1834-1900
ヘンリー・フォード 一般大衆向けに自動車を生産した理想家 アメリカ 1863-1947
フェルディナント・ポルシェ 才能に恵まれた自動車設計士にして技師
オーストリア=ハンガリー 1875-1951
Ⅴ-2 映画
ルイ・ル・プランス 映画技術の開発者 フランス 1842-1890
リュミエール兄弟 映画の発明者
フランス オーギュスト(1862-1954)、ルイ(1864-1948)
Ⅴ-3 そびえ立つ建造物
ウィリアム・ル・バロン・ジェニー 高層建築の父 アメリカ 1832-1907
ヴラディミール・シューホフ 軽量の鉄製構築物のパイオニア ロシア 1853-1939
画期的な発明 鉄骨製の建築物
内藤多仲 耐震設計の父祖 日本 1886-1970
エドゥアルド・トロハ コンクリート・シェル構造設計の第一人者
スペイン 1899-1961
ファズラー・カーン 摩天楼を見上げた建築家 インド 1929-1982
Ⅴ-4 飛行機械
ジョージ・ケイリー 航空学の父 イングランド 1773-1857
ジョン・ストリングフェロー 世界初の動力付き航空機製作者
イングランド 1799-1883
オクターヴ・シャヌート 多葉飛行機の父 アメリカ 1832-1910
オットー・リリエンタール 初期航空術における恐れを知らぬ英雄
プロイセン 1848-1896
ハイラム・マキシム 動力付き重航空機のパイオニア アメリカ 1840-1916
ライト兄弟 動力飛行の伝説的パイオニア
アメリカ ウィルバー(1871-1948)、オーヴィル(1876-1912)
遺された声 ライト兄弟
フアン・デ・ラ・シエルバ ヘリコプターの原型を発明 スペイン 1895-1936
フーゴー・ユンカース ドイツ航空界の牽引者 ドイツ連邦 1859-1935
ホイットルとフォン・オハイン ジェット機の先駆者
ホイットル:イングランド 1907-1996 フォン・オハイン:ドイツ 1911-1998
Ⅴ-5 宇宙工学
ロバート・ゴダード 近代ロケット工学の父 アメリカ 1882-1945
年表でたどる技術革新 ロケット
セルゲイ・コロリョフ 宇宙航行学の創設者 ロシア 1907-1966
ヴェルナー・フォン・ブラウン 20世紀における最も有力なロケット技師
ドイツ 1912-1977
バート・ルータン 宇宙飛行のパイオニア アメリカ 1943-
大型ハドロン衝突型加速器 世界最大の粒子加速器
あとがき アダム・ハート=デイヴィス
索引
図版出典
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[カバー折り返し]
(前)
多彩な人間技術革新の知恵
道家達将[東京工業大学名誉教授]
本書は、夢を現実化した歴史的な技師約100組の発明行動を、象徴的な写真・絵・文でコラージュ風に巧みに仕立ててあり読み易い。エジプト最古のピラミッド建設のイムホテプ、中世イスラームの機械装置のアル=ジャザリー、産業革命期のワット、現代の自動車のベンツ等々多彩で、人間の技術革新の知恵に驚くと共に、安全性確保に苦しんでいる今日の技術革新課題の解決にも有用な好著である
ダイナミックな技師の群像を堪能!
瀬名秀明[作家]
図版だけでなく文章にも注目してほしい。個々の項目は簡潔だが、通して読めばひとりひとりの技術者の人生が、大きな歴史のうねりをつなぐ鮮やかな物語として起ち上がる。世界の景観と意味を変えた巨大建造物、人の動きを変えた交通技術――イスラームやアジアの技師がしっかり登場するのも嬉しい。気がつけばきっと惹き込まれ、読み耽っていることだろう。
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[帯]
(前)
ピラミッドから宇宙旅行まで
人類5500年の
発明・開発をたどる
「ハイテク」全史
推薦します!
道家達将
東京工業大学名誉教授
瀬名秀明
作家
(背)
技師たちの
見果てぬ夢
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概要
ピラミッドから宇宙旅行まで、人類5500年の発明・開発をたどる「ハイテク」全史。
夢を現実化した古今東西の技師約100組の詳細を、象徴的な写真・図版・文章でわかりやすく紹介する。
(東洋書林のHP)
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[編者]
アダム・ハート=デイヴィス(Adam HART-DAVIS)
1943年、サウス・オクスフォードシャー生まれ。ヨーク大学Ph.D(化学)。オクスフォード大学出版に科学書籍の編集者として勤務し、現在は、著述家、歴史家、TVキャスターとして活躍。『History:The Definitive Visual Guide(世界の歴史大図鑑)』、『Science:The Definitive Visual Guide(サイエンス大図鑑)』(共にDorling Kindersley)など、著編書多数。
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[監修者]
荒俣宏(Hiroshi Aramata)
1947年、東京生まれ。武蔵野美術大学客員教授。著述家、翻訳家。『世界大博物図鑑』(全5巻別巻2、サントリー学芸賞)、『ダーウィン先生地球航海記』(全5巻、共に平凡社)、『荒俣宏コレクション』(全17冊、集英社文庫)、『帝都物語』(全6巻、角川文庫、日本SF大賞)、『ビジュアル版 世界の探検大百科』(日本語版監修、東洋書林)など著訳書多数。

(以上、DOJI-I様)