荒俣宏のデビューについて -2014.08.21 記-

以下、現在判明している事項で記述します。



荒俣本人は「青春と読書 1994年5号 (p.34- 38)
インタビュー『荒俣ワールドの現在・過去・未来』」において

「大学1年生で学研の『中二コース』でデビュー」

と語っています。
大学入学からの1年間(66年4月-67年3月のいつか)がデビューです。

大学入学後から野村芳夫氏と怪奇幻想文学についての同人誌
『リトル・ウィアード』(同人名:ザ・ミスカトニシアンズ)を発行していましたので
文筆スタートもほぼ同時期ですが、
「依頼があった」or「お金をもらった」or「メジャー誌に掲載された」
という意味でのデビューは「中二コース」でいいんではないでしょうか。

なお「中二コース」の詳細はわかっていません。

ボクは、当時の学習雑誌がさかんに短編の海外恐怖・SF小説などを付録に
つけていたことから、その類ではないかと推察しています。
本誌掲載のマンガ原作などかもしれません。

「中二コース」1966年4月号〜1967年3月号の目次を載せておきます。
中二コース目次こちら

なにかご存知あればぜひともお教えください。 メールこちら
(「リトル・ウィアード」詳細もぜひお願いします)

**********************

同人誌などへの寄稿を除くと、次にメジャー舞台へでてくるのは少年誌への掲載
になります。

週刊少年キング 1969年(昭和44年)5月25日号(No.22)秋田書店

の巻頭特集です。



荒俣宏21歳。


こういう頃だと思われる

巻頭特集「幻想恐怖特集 SF大怪奇境」の文と資料提供をしています。



海外幻想文学の内容を引き、未来の怪世界を解説するという企画でした。



挿絵は石原豪人、小松崎茂(カラー)、金森達、柳柊二、水気隆義、
木村正志(モノクロ)
の各氏。


荒俣宏名義での掲載でした。



なお、とりあげた作品は以下の通りです。

魔術師の帝国  C.A.スミス
ペンタグラム  R.ブラッドベリ
寺院  R.ブラッドベリ
時間の影  H.P.ラヴクラフト
ムーン・プール A.メリット
ダイヤモンド・レンズ  F.オブライエン
アルミュリック  R.E.ハワード
アステロイドの王  C.A.スミス
怪植物の星  W.M.ミラー
ブルー・ワールド  J.バンズ
狂気の星  M.ラインスイター
ペガーナの神々 R.ダンセイニ (注:ママ)
マイナターの日 T.B.スワン
アドンファの園 C.A.スミス


この分野くわしくないんですが、当時まだ日本では未紹介だった
作品もあるように思われます。
たいしたもんだ。

以下、各ページの詳細画像。


大きな画像ここ


大きな画像ここ


大きな画像ここ


大きな画像ここ


大きな画像ここ


大きな画像ここ


この後、「SFマガジン」への寄稿や「怪奇幻想の文学」などの仕事が増え、
大学生のころから頭角をあらわしていくことになります。

以降の活躍は以下のサイトでご確認ください。
以上です。


*********************

<参考・引用・感謝>

「アリャマタコリャマタ解体文書」

http://www42.atwiki.jp/aryamatakoryamata/

「板橋カオス」<お休み中>

http://www.t3.rim.or.jp/~yoshimi-/nenp/

ノモシカツナト告廣誌雜之和昭

http://blogs.yahoo.co.jp/thatseurobeat/archive/2012/1/24

 

あと、だいぶ前にヤフオクにこの雑誌をだした方。