「スタジオパークからこんにちは」に出演



NHKお昼の人気番組「スタジオパークからこんにちは」にアラマタが出演しました。
同番組は、日替わりでゲストを招いて繰り広げられるトーク番組。
本人が直接自分自身の事を語る機会は少ない事もあり、大変興味深い資料となりました。
見逃した方のためにどんな内容だったかをかいつまんでご紹介します。
一言一句まで正確に再現している訳ではありません。
だいたいこんな感じだった、程度のモノですんで細かい事は見逃して下さい。
長文でしかも読みずらいです。お暇な方だけどうぞ。
(司会は堀尾正明アナと高見知佳氏。場所はNHKスタジオパークでした)




まず最初に「帝都物語」の映画の画像。

堀尾「今日のゲストは原作者、荒俣宏さんです。この映画から急に名前がクローズアップされました
   が、実は以前から翻訳とかイロイロ手がけられてけられたんですよね」
荒俣「はい、マイナーなオタクの元祖だと思います」
堀尾「今でも大手の出版社に寝泊まりしてらっしゃるんですか」
荒俣「はい、相変わらず、ええ・・」
堀尾「それでも、ちゃんとご自宅もあり、奥様もいらっしゃる・・」
荒俣「はい、います」

など軽い会話からスタート。
(ちなみにこの日も服装は定番・セータとジャケットでした)

続いて着席してのトーク本番へ。

堀尾「現在、『人間講座』にもご出演して頂いてますが、テレビの世界はどうですか?」
荒俣「ええ、好きですよ、昔から。見るのも好きですし、たまに出ますけど、好きですね」
堀尾「改めてご紹介させて頂きますが、肩書きは何と・・」
荒俣「肩書きは難しいんですけど、昔は翻訳なんかやっていたんですが、今は博物学をやったり
   作家をしておりますのでライターですかねえ。何かいろんなものを書いてるという」
堀尾「今日は貴重な古書もおもち頂いております」

という訳で、ここで場所を移し所有の本の紹介へ。パネルと本が用意されているコーナーへ移動。

パネルは「加藤保憲(嶋田氏)のアップ」「河童の図」「イソギンチャクの図(ゴッス?)」「コナンの
イラスト」の4枚で、それぞれを簡単に解説。
荒俣「映画にもなりましたコナンの原作を、大学生の頃翻訳したんです」
堀尾「日本で初めてですか?」
荒俣「たぶんそうだと思います」
などという会話もなされました。
その後は著書と稀少本の紹介。
持ち込まれた本は「千蟲譜」「フローラの神殿」「インコの図鑑(勉強不足のため不明)」など。
荒俣「洋書はイギリスやフランスのオークションに行って買ったり、郵便出して買ったりした外国
   ものです」
堀尾「いつも情報を仕入れてらっしゃる?」
荒俣「ここ30年、朝起きると必ず古本のカタログを見てます」
堀尾「買えない場合もありますよね」
荒俣「まず、あきらめるのが肝心です。5年位たったら必ずもう1回でますから」
堀尾「いづれにしても、お金はかかりそうですね」
荒俣「『帝都物語』のお金も全部消えました」
だそうです。

稀書自慢も終わり再び座ってのトークへ。
通常はこのままフリートークへ流れるんですが、今回はキーとなる本を軸に荒俣を探るといった趣向。ちなみに、キーブックを運んでくるアシスタントの女性はエプロン姿(金持ちの若奥様が着るようなフリフリのついたヤツ)。堀尾アナに感想を聞かれたアラマタは「ええ、いいですよ、気に入りました」などと言ってニヤニヤしてました。


第一のキーブックは楳図の「へび少女」と貸本「魔像」。
ここでは、小学校時代から貸本に熱中していた事、東京の下町っ子で家には本が1冊もなかった事、「少年ケニア」を泣く泣く捨てた事など「稀書自慢 紙の極楽」等で読めるエピソードが大半でした。
荒俣「(本をはじめて読んで)世の中にこんない面白いものがあるのか、と思いました」
堀尾「文学なんかは読まなかったんですか」
荒俣「ばかばかしくて読めませんでした。大人の本を読みたかったんです。自分で探し出して読む
   という」
堀尾「クラスの中ではどんな存在でした」
荒俣「昔から古典が好きだったんですね。江戸本などを読んでました。ですから友達はおじいさん
   や作家の先生、年上の人ばかりでしてたね」


第二のキーブックは「怪奇小説傑作集 魔人ドラキュラ」
今と違ってTVもない時代であり中学生のころ読んで刺激を受けた、とういう様な内容。
堀尾「今ですと、すぐアブナイなどと言われますが」
荒俣「アブナイ少年の最たるものでしたね。本を読んでると母親に『四次元から帰っておいで』と
   よく言われました」
堀尾「テレビなんかはどんなものを見てましたか」
荒俣「テレビもラジオも好きでしたよ。落語や都々逸なんか・・」
堀尾「将来についてどう考えてました?」
荒俣「将来は早く隠居して山の中で本を書きたかったですね。完全に隠居指向でした。マセていて
   つまんなかったんですね。この世は仮の世、だと。もっと奥深い宇宙や霊、生物の発生など
   に感心があったんですね。30年くらい前の事には全く興味がなく、最低でも1000年くらい
   前でないと興味をもてませんでした。せめてピラミッドの時代で何とかって処ですね」

ここで大学時代の話。

堀尾「若い頃よく女性のほうに行きませんでしたね」
荒俣「そっちへ流れれば人生は幸せになるかも知れないけれど、知りたいと思う事を知ることがで
   きないと思いました。人生とは何かを犠牲にしなければならないんですね。15歳くらいで
   覚悟をきめました。」
堀尾「いや、それでも・・」
荒俣「まず女の子は捨てようと思いました。お金も暇もかかるんで」
堀尾「あぶなかった事はないんですか」
荒俣「ええ、ありましたね、大学の頃。与謝野晶子の「やわ肌の熱き血潮に〜」の和歌を読みま
   して、何で勉強してるのに誘惑するんだ、とも思いました。与謝野晶子は一生の天敵です
   (笑)」

話は翻訳へ。

荒俣「当時は深い話ってのは読めなかったんですね。どこに行ってもないのに、ヨーロッパやアメリ
   カってスゴいですね、これがあったんですね。吹き替え(翻訳)なしで読むしかありませんで
   した。しょうがないんで読み始めて、中三の頃200ページ位のモノを読んだんですが、解っ
   たことは男が出てきて最後に死んだ、という事だけでした。それでも「面白い!」と思ったん
   ですからスゴいですよね(笑)」
堀尾「でも、翻訳されるとはね・・」
荒俣「それでも高一くらいの学力でも読める本って結構あるんですね。2冊、3冊と読むうちに、いつ
   のまにか読める様になりました」
堀尾「いやあ、女性を捨てると大きな力になるんですねえ」

そして就職〜退職までの話。

荒俣「日魯漁業に就職しまた。魚の研究をしてたんで、アフリカの駐在所ででも魚の研究をさせても
   らえないかと思ったんですが、これが大間違いで、コンピューター室に配属されまして、3日
   で辞めようかと思いました」
堀尾「ほう」
荒俣「3日で辞めようかと思ったんですが、物好きの血が騒ぐのか、面白くて辞められなくなっちゃ
   いましたね。結局約10年ほど勤めました」
堀尾「お辞めになるきっかけは」
荒俣「今の時代でもそうですが、リストラの対象になるんですね。私は停年まで働いて隠居するのを
   待とうかと思ってたんですが。30歳をこえたあたりで、この会社に骨を埋めるのか、好きな
   事をやるのか問いただされる時期が来ました。で、やりにくい課に行かされました。外国部だ
   ったんですが、夜は外国と交渉、昼は売る、というほとんど24時間働かなきゃならない所で
   した。幸いプログラミングの技術がありましたんで、これからはコンピューターの時代だ、プ
   ログラマーになろうと思いました」
堀尾「なるほど」
荒俣「で、1年間位はやり残した事をやろうかと思ったとき、百科事典の手伝いの誘いがありまして、
   雑学には自信があったもんですから、やりはじめたら面白くて居ついちゃいまして」